- オモムロニ。(雑貨コーディネーター)
- おもむろに。|日用品や手みやげ、ギフトなどユーモアのあるセレクトが得意。また商品企画、雑誌でのコラム連載などもおこなう。著書に『DAILY GIFT BOOK 気持ちが伝わる贈りものアイデア』(文藝春秋)。
- Instagram - @omomuroni
「色使いやフォントなど、とにかくデザインがかわいいと思って集め始めました」というエアライングッズ。ちょうど2000年にweb会社に就職したオモムロニ。さんが、航空会社のデザインワークに着目し始めたのも、ちょうど同じ時期のことだった。
「デザイナーと仕事をするようになり、さまざまなデザインと触れる機会が増えました。周りには旅行を趣味にしている人も多く、わたしもようやく社会人になって、海外旅行するように。飛行機自体、昔からわりと好きではあったけれど、そこまで旅慣れているというほどではなかったんですね。ところが〈ルフトハンザドイツ航空〉のネイビーにイエローのコントラストや、フォント、ワンポイントなどのデザインを見て、“かわいい!”と、すごく惹かれました。ドイツのデザインが好きかも、ということに気付いたのも〈ルフトハンザドイツ航空〉のエアライングッズがきっかけです」
それ以来、旅行したいというのはもちろん、〈ルフトハンザドイツ航空〉の飛行機に乗りたいとか、○○エアーに乗りたいという動機で何度か旅をしたことがあるという。新しい旅の目的のひとつだ。
「新婚旅行でフランス(パリ)とドイツ(ミュンヘン)に行くことになったんですが行きも帰りもルフトハンザの飛行機に乗りたい!という思いだけで、行きはフランクフルト経由でパリへ。トランジットの間、空港内を探索しまくりました。パリはただ単に憧れだけでたいして調べもせずに超おのぼりさん状態だったので、冷たい現地の人の洗礼を受けて……パリが嫌いになりそうでした(笑)。そしてパリからミュンヘンに渡った瞬間に、飛行機の中に紙袋か何かを忘れてしまったのですが、うしろから「忘れ物ですよ〜」って人が追いかけてきてくれて。ドイツに入った瞬間、人が優しい!って感動しました。それでますますドイツが好きになりましたね」
こんなエピソードもある。
「エアライングッズを求めてさまざま旅をしましたが、ファーストクラスにはなかなか乗れませんでした。ただ、一度だけダブルブッキングで搭乗したことがあります。ニューヨークから帰国するときに、ラガーディア空港からの直行便がなくなってしまって、トロントを経由することになったんですが、トロントの天候が悪くて、1日延期。途方に暮れつつ保険会社の人に翌日の便を取ってもらったら、まさかのエグゼクティブファーストクラス。まさか自分のチケットがファーストだなんて気づきもしないので、ラウンジも何も使えずに終わってしまいました。周りの人はみんなシャンパンを飲んだり楽しんでいたけれど、完全にひとりだけ場違いでしたね。ウェルカムドリンクが出た〜と思って飲んだら、隣の人の飲み物だったり。〈エア・カナダ〉だったんですが、あまりにも動揺してしまって、緊張のあまりアメニティを持ち帰るのを忘れてしまいました」
こまごまとしたコレクションは、〈ルフトハンザドイツ航空〉の収納バッグに入れ、インテリアの一部として置いている。愛らしいぬいぐるみもグッズのひとつ。
ほかにもスターアライアンスメンバーがマイレージを貯めるともらえる粗品や、ヘッドフォン、機内食のメニュー表などなど、実際に搭乗時に持ち帰ったり、エアラインのグッズショップで購入したり、SNSでの交流を通じて譲ってもらったり。実際に日常生活で使えるものもあれば、コレクションとしてインテリアとかしているものもある。旅先に想いを馳せたり、旅の思い出を振り返ったりしながら、エアライングッズ収集を楽しんでいる。
- Photo/Atsuko Chiba
- Text/Shoko Matsumoto
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