マルチな仕事と趣味が互いに刺激し合う、作業スペースのアイデア
#014 フリーランスディレクター・ミュージシャン/久世直輝さん
ちょっとした“ひと手間”で暮らしを彩ることができたら、きっと毎日が楽しくなるはず。今回は、前回に引き続きファッションブランド「NAOKI KUZE」のデザイナー/ディレクターであり、ミュージシャンとしても活躍する久世直輝さんの“作業スペースの+αな使い方”をご紹介。アートやアウトドアといった「好きなもの」の世界が、久世さんの仕事にどのようなインスピレーションを与えているのかも含め、ジャンルレス、ボーダーレスに趣味と仕事を楽しむための暮らしのヒントを教えてもらいました!
LIFE LABELが、家具や照明、壁材・インテリアのパーツまで取り扱うオンラインショップ「toolbox」とコラボレーションした「ZERO-CUBE TOOLS」。今回は、プラスワンのオプションで付けられる「+BOX」で、久世さんならではの作業スペースの便利な収納術をレクチャーしてもらいました。インスピレーションを刺激するアートや、仕事道具が置かれた自分だけの場所には立体的な空間の楽しみ方やマルチなツール使いなど、さり気なく部屋をアップデートできるヒントがたくさんありました。
- 久世直輝さん
- 広告業界やアパレルブランドでの経験を経て、フリーランス ファッションディレクターとして独立。2020年秋には、自身のブランド「NAOKI KUZE」のデザイナーとしてもコレクションを発表している。楽曲制作やイベントへの出演など、ミュージシャンとしても活躍。アウトドアを趣味に持つなど、多彩なカルチャーへの関わりで注目を集めている。
- Instagram − @la_kuze
【アイデア01.】棚の奥行きを使って、好きなものを「見せる収納」に
アートや漫画など、多彩な趣味を敢えて分けずに収納するのが久世さん流。室内に取り付けられた棚の奥には漫画の単行本を置いて、手前にはジャンル別に分けたポストカードやZINEなどをフェイスアウトして置くことで、本棚の実用性はそのままに、アートを飾るインテリアとしても楽しめます。
「漫画のタイトルが見えて生活感が出すぎるのを防ぐことと、本やZINEのかわいい表紙を見えるようにレイアウトすることを両立できるので一石二鳥。僕は『迷ったら買う』が信条なので部屋には物が増えてしまいがち(笑)。それでも、出来るだけスッキリ見せられるように心がけています」。
収集したアートコレクションも飾って収納。
「好きなアーティストの作品をお店のディスプレイのようにレイアウトしています。薄めのZINEは、置いているうちに自然に開いてくるので、クリップで止めることで形を崩すことなくきれいに収納できます。これは海外のZINEショップから着想を得たアイデアですが、クリップは上に跳ね上げるとフックに吊るすことも出来てとても便利ですね」。
【アイデア02.】ギターハンガーで壁に取外し可能な収納をプラス
作業スペースのデスクに収まりきらない小物類をまとめるにはウォールハンガーが最適。そこで、部屋の柱部分にギターハンガーを取り付けて、吊るし収納の場所をプラス。フレキシブルに使えるツールバッグを壁掛けにして使うことで、空間をより自由に使うことができます。「作業時に小物が散らばらないのがいいですね。キャンプでもウォールハンガーをテーブルに括り付けて、ナイフやバーナーを収納しています。」
デスクの上には文房具やiPad Proなど、記録する道具がずらり。「ぱっとアイデアが浮かんだ時、すぐに書き留められる環境が大事なので、デスクは散らかさずシンプルに保ちたい。でもPCに貼っているステッカーみたいに、自分のイマジネーションを広げてくれるアイテムは側に置いておきたいです」と久世さん。
【アイデア03.】音の反響を生かした、即席マグカップスピーカー
「作業がてら音楽を聴くのにちょうどいいんです。キャンプでも実践しているアイデアです」というのが、マグカップにスマートフォンを入れて簡易的なスピーカーにする方法。中でも陶器製のマグは他の素材に比べて音が綺麗に反響するそうで、電気の必要なスピーカー無しでも十分いい音に。
「このマグカップも、公私ともにお世話になっている大好きなアーティストと友人のコラボ作品なんです。」こんな風にアート作品を実用的に使うことで、アートの存在をより身近に感じられて新しいインスピレーションもどんどん湧きそうです。
「好きな世界」から、仕事へのいいヒントが見つかる
「作業スペースには、ファッションの写真集はあっても、洋服はできるだけ置かないようにしています。それは僕が『既存の服からそのままインプットしてしまわないように、自分だけの新たなアウトプットができるように』と思っているから。アートや写真、ZINEなど並べたあらゆる作品たちからインスピレーションを受けることが、服へのイマジネーションを広げてくれているのかもしれません。」
アートにアウトドア、ファッションに音楽と、仕事と趣味を隔てずに「好きな世界観」がクロスオーバーすることで、仕事へのいいインスピレーションをもらえると言う久世さん。
好きな世界を真剣に探求するからこそ、インテリアとしても単に「遊び心がある」というだけでは終わらない。置いてあるもののジャンルは異なりますが、不思議と統一感のあるルックスになって、それぞれが空間によく馴染んでいました。
自分の世界観がよく現れた「見ていて楽しいインテリア」は、その人が「どれだけ真剣に暮らしを楽しんでいるのか」がよくわかる、大人ならではの愉しみなのかもしれません。
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