自分だけのストーリーを奏でるディスプレイ
#013 フリーランスディレクター・ミュージシャン/久世直輝さん
ちょっとした“ひと手間”で暮らしを彩ることができたら、きっと毎日が楽しくなるはず。今回は、ファッションブランド「NAOKI KUZE」のデザイナー/ディレクターであり、ミュージシャンとしても活躍する久世直輝さんに、インテリアと楽曲制作を両立させる機能的なディスプレイのアイデアを教えてもらいました。音楽やファッション、アートなど、多彩な世界観を統一するヒントは、カテゴリで分けずにミックス感を楽しむこと。自身の趣味を大切にする人にぜひ参考にしてほしいアイデアが満載です。
豊かな趣味を持つ人にとっての住まいは、必要に応じてレイアウトや使い方を変えられる自由度が重要。家具や照明から、壁材・インテリアのパーツまで取り扱うオンラインショップ「toolbox」とのコラボレーションによって誕生した「ZERO-CUBE TOOLS」は、その自由度の高さが魅力の「道具(ツール)のような家」。
壁面の有孔ボードや趣味のスペースにぴったりな「+BOX」など、家を自分好みに作り込みながら住むことができる自由さを持ち、壁や部屋、屋上などのお家の「面」を立体的に楽しむことができるこの家を、久世さんのアイデアでアレンジしてもらいました。
- 久世直輝さん
- 広告業界やアパレルブランドでの経験を経て、フリーランス ファッションディレクターとして独立。2020年秋には、自身のブランド「NAOKI KUZE」のデザイナーとしてもコレクションを発表している。楽曲制作やイベントへの出演など、ミュージシャンとしても活躍。アウトドアを趣味に持つなど、多彩なカルチャーへの関わりで注目を集めている。
- Instagram − @la_kuze
【アイデア01.】「自分らしさ」を溶け込ませる壁面の機材収納
無機質な見た目でインテリアとの調和を取りづらい音楽機材。アートやファッションなど、多様なコレクションとともにバランスよく配置することで、室内の雰囲気を調和させることができます。見映えはもちろんのこと、仕事に与える影響も。
「僕にとってはそれぞれが影響しあって、制作にイマジネーションを与えてくれるもの。アートや服のコレクションを見ながら、音楽制作もできる環境を作りました。」
お気に入りの洋服はクローゼットにしまい込まず、アートピースのように並べることで、ギャラリー空間としても、模様替えしやすいインテリアとしても楽しむことができます。
「飾り方は、服や雑貨のお店のディスプレイのほかに、好きな海外アーティストの家のレイアウトをよく参考にしています。」
【アイデア02.】有孔ボードを立体的に使って、ミニ作業スペースに
在宅ワークで、自宅の仕事スペースにお困りの方も多いのでは?有孔ボードにホームセンターで購入した板を金具で設置するだけで、簡易的な作業台に。ウォールフックも活用すれば、自分の手が届く範囲で完結できる、音楽制作のための空間が作り出せます。
「僕が音楽制作に使う楽器や機材は、本当にこのスペースに収まりきってしまうぐらいコンパクト。フレーズが思いついたときに、すぐに作業できるのも魅力的ですね。」と久世さん。
大きめの機材は、足元のコンテナに収納してすっきりと。
【アイデア03.】レコードを額装して、アートとして飾る
音楽は単に「聴く」だけではなく、レコードジャケットのアートワークなどを「見る」ことで、たくさんのストーリーを楽しむことができます。お気に入りのジャケットとレコード盤を額縁に入れて、アートの1つに加えてみてはどうでしょう?
「僕はあまりレコードをたくさん持っていない方ですが、今回セレクトした『Me First and the Gimme Gimmes』の作品は盤面も気に入っています。」と久世さん。
額縁以外にも、中身が見えるレコードケースを活用すれば好きな時にジャケットを入れ替えできるので使いやすいです。
好きなものが暮らしに混ざりあうのは、とても素敵なこと
「僕の作る服は、音楽あってのものだと思います。ファッションブランド『NAOKI KUZE(ナオキ・クゼ)』を立ち上げたきっかけは、音楽活動の分野で自分を表現する中で、同じく大好きなファッションの分野でも、自分の表現するものづくりを自分の名前を出してするべきだと気づいたから。音楽もファッションも自分には不可欠な要素で、切っても切り離せない存在です。」
「例えば『このジャケのレコードなら、こういう音楽が入っているのかな』と想像したり、『こういう音楽をやるアーティストだから、ライブでこんなハットを被ってるんだ』など、音楽性とファッション性ってどちらにも作用し合っていると思うんです。だからライフスタイルの中に、音楽とファッションが同居しているのが自然なのかもしれないですね。」
そんな思いが反映されたスペースは、どのアイテムを見てもストーリーのあるものばかり。「もともと1970年代のアートが好きですが、最近は同世代のリスペクトしているアーティストの作品をよく買っています。音楽制作や服作りにもインスピレーションを与えてくれる大事な存在ですね。」
ヴィンテージのポスターから仲のいいアーティストの個展で購入したアイテムまで、ところ狭しと並べられた作品からは、さまざまなアイデアがひらめきそう。
単に音楽を「聴くもの」、服を「着るもの」、アートを「飾るもの」だけにせず、混ぜ合わせることで自分らしい表現を追求する久世さん。紹介してもらったアイデアは、人それぞれの趣味や仕事に置き換えて、オンリーワンな家づくりが楽しめそうですね。
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