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アメリカンヴィンテージに囲まれる。DIYで仕上げた夢のガレージ。
GARAGE LIFE 2024.08.01

アメリカンヴィンテージに囲まれる。DIYで仕上げた夢のガレージ。

アメリカントイやヴィンテージバイク、異国の雑貨、エアープランツ…。ここは、好きなモノが詰め込まれた夢の空間。オーナーの宇於崎さんは、結婚を機に夢のマイホームとガレージをいっぺんに手に入れた。大人の趣味部屋を作り込むときのモットーは、「お金を使わず、楽しく」。DIYは何かと物入りなイメージだけれど、創意工夫でここまでお手軽になる!という好例です。

INFORMATION
宇於崎 真友さん(モヒカンプラント 代表)
宇於崎 真友さん(モヒカンプラント 代表)
うおざき・まとも|1976年生まれ。「ややクセありコーデ」と称した古着ミックスのファッションや、悠々自適なライフスタイルをInstagramで発信。5年前、絵描きの趣味が高じてアパレルブランド「モヒカンプラント」を立ち上げた。大阪でのTシャツ展示イベントをはじめとして、盛岡の古着屋でのポップアップなど、各地で精力的に活動している。

好きなモノで部屋を埋める。趣味のアメリカントイとヴィンテージバイク。

大田区・梅屋敷の一角に宇於崎さん夫妻の家が建ったのは、10年前のこと。

「結婚を機に実家を建て替えて、2世帯住宅に。そのときに念願だったガレージを1階につくり、趣味と収納の空間として使っています」

宇於崎さんは「エアコンがないから暑くてしょうがない!」と笑いつつ、自慢のコレクション部屋へと案内してくれた。

6畳ほどのスペースを見渡すと目に入ったのは、壁際にぎっしりと置かれた年代物のアメリカントイ。あらゆる隙間を埋めるように、アメコミ・SF映画の雑貨やエアプランツなどが置かれている。自分で収集したものや旅の土産のほか、プレゼントでもらった物も多いそう。レア度は気にせず好みのものを集めているとのことだが、なかには稀少なヴィンテージ品が紛れているのでは…?と眺めているだけでワクワクしてしまう。

「これには特に思い入れがあって」と宇於崎さんが手に取って見せてくれたのが、アメリカのバーバーで使われていたであろう木製のサイン。とある雑貨屋で売られていたものを購入したことがきっかけで、趣味部屋づくりが始まった。

「10代の頃からアメリカ雑貨のコレクションしていました。集めるだけでなく飾り方を意識するようになったのは、あるとき偶然訪れた雑貨屋さん。家の部屋のような内装になっていて、ソファの周りにソフビやアメトイがずらっと並んでいたんです。その光景を目にしてから、“趣味のモノで埋まった部屋”に憧れるようになりました」

その思いの通り、ガレージは宇於崎さんを象徴するものたちでいっぱいだ。

お金をかけない、手軽な趣味部屋づくりがモットー。

収集品を納めたラックの前には、ひときわ存在感を放つハーレーが鎮座。ここを部屋ではなく“ガレージ”にしたのは、一番のコレクションであるハーレーを置きたかったからだ。

宇於崎さんは高校生のときからバイクが趣味。青春時代は、気の置けない仲間とよくツーリングへ出かけていたそうだ。当時乗っていたKAWASAKIのバイクの写真は、今はジグソーパズルとなって棚に飾られ、思い出に花を添えている。

また他の収集品がどんどん増えていくにつれ、部屋全体のレイアウトを考えるようになっていった。「ここには…。あそこには…」と陳列方法を考えるうちに、“部屋づくり”自体が宇於崎さんの趣味になった。

「トイを陳列している棚は、ただの木箱なんです。立てかけて、積み重ねて、箱同士を万力や針金で緊結してみたら、こんな感じになりました。なかなかシブい雰囲気が出てるでしょう?」

もうひとつあるトイ置き場は、美容室にあったガラスケースを再利用した。

「閉業する美容室の前にこのケースが置かれていて。『ご自由にどうぞ』と書かれていたのでガレージへ迎えるために連れ帰りました。実際に置いてみると木棚との相性はバッチリで、僕好みのインダストリアルな空間になりました」

総じて、彼の趣味部屋づくりのポイントは「お金をかけずに楽しむ」ことにある。ガレージの隅でアウトドアチェアに座りながら、宇於崎さんはそのモットーを話してくれた。

「ガレージにあるコレクションはリサイクルショップで買ったジャンク品やもらい物も多いです。物はたくさんあるけれど、実はそんなにお金はかかっていなくて。昔、バイクをいじっていたときも廃材や仲間が持っていた不用品をよく再利用していて、それが今の趣味に生きているんだと思います。ズブっと沼にハマってお金をかけるのも面白いけど、頭をひねりながら工夫を凝らすのも一興ですよね」

ガレージは、息子とのコミュニケーションの場でもある。

夢のマイホームに家族4人、むつまじく暮らす宇於崎さん。遊びたい盛りの長男・豊染(ほうせん)くんは1階のガレージに出入りすることもあるそう。

「ここで一緒におもちゃで遊んでいます。すっかり気に入ったようで、『ここはいつ僕の部屋になるの?』なんて聞かれることもあります」と宇於崎さんは苦笑しつつ、続けた。

「いつ壊されてもいいように貴重なトイはあまり渡さないようにしていますが…そろそろ次は下の子が興味を持つ頃だな、と戦々恐々としています」

それでも宇於崎さんは、ここでの息子とのコミュニケーションを大事にしている。

「僕としては、最新型のゲームやスマホに夢中になるより、“古くて良いもの”にハマってほしい。リアルなふれあいで育まれる感性がきっとありますから」

できる男はラックもTシャツも、すべて手作りで。

宇於崎さんの趣味はガレージにとどまらず、2階のリビングやダイニングにも見て取れた。

インダストリアルなラックやトイレのサインはDIY。各所に配された植物も手塩にかけて育てている。ガス管と足場板を使い、自分ひとりで組み上げたラックが特にお気に入りで、その製作期間はなんと3ヶ月。

「買ってしまえば早いでしょうけど、唯一無二で、思い入れのある物が欲しかったんですよね。こればっかりはコレクターの性かもしれません」

鉛筆やマジックペンで描いた植物の絵をプリントしたオリジナルアパレル「モヒカンプラント」の原画やTシャツもそこかしこに。

「息子と同じデザインのTシャツを着たくてブランドを立ち上げました。バイク好きからも好評です」

日の光の差すリビングで、趣味のものと家族に囲まれた団らんの時間。ソファでくつろぎながら、「子育てが落ち着いたら、ガレージにあるバイクを直して乗り回したい」とのこと。

ガレージで子どもたちとバイクいじりをする宇於崎さんの姿が、ありありと浮かんだ。

  • Photo/Kei Fujiwara
  • Text/Ryoma Sato
LL MAGAZINE