- なかもと家
- なかもと・け|2020年5月、Instagramアカウント<なかもと家>を開設。メンバーは、夫と妻、5歳の長女、1歳の次女の計4名からなる。“#まいにちを楽しく”をモットーに、日々の暮らしを面白可笑しく発信。フォロワーは現在、3.6万人を超える(2022年11月時点)。
- Instagram - @nakamoto.ke
屋上にポツンと建つ平屋と、約100平米のプライベートな庭。
2016年、東京23区内から調布市に本拠を移した、なかもと家。まだ子供が生まれる前の、新婚生活を始めてちょうど1年が経ったタイミングでの引っ越しだった。
「結婚してすぐは都心部にマンションを借りてたんですけど、建物が密着していることもあって景観がイマイチで。それで、眺めの良い場所に住みたいなって。ここは周囲に背の高い建物がないので、景色は抜群ですよ」
奥に見える白い平屋の建物が、彼らの住まいである。確かに、ルーフバルコニーからの景観の良さは地上からでもなんとなく想像ができるが、上はどうなっているのだろうか。
半信半疑のなか階段を登ると、屋上にはポツンと平屋が建っていた。この建物はかつて、1階が工場で、2階は社員寮として使われていたそう。なかもと家が暮らす3階部分は、大家が当時住んでいた物件なんだとか。
「大家さんがよくしてくれて、『好きに使っていいよ』って。築50年と物件は古いんですけど、ようやく見つけた“眺めの良い平屋”。庭が南向きなので日当たり良好、朝日と夕日が途切れることなく、毎日が絶景なんですよ」
彼がいう“庭”は、広大なルーフバルコニーのこと。広さは家の敷地面積の約2倍を誇り、おおよそ100平米はあるだろうか。
「家の間取りは一応2DKなんですけど、2つある和室をひと繋ぎにしているので、1DKって感じですかね。12畳のリビングと7畳のダイニングキッチン、あとはお風呂とトイレ。ただ築古な分、断熱構造とかがしっかりとされているわけじゃないので、夏は暑さとの勝負です。
幸いにも同じ目線に建物がないので、暑いときは裸でうろちょろしたり……。たまに、『見えてるぞ』って知人から情報が入りますが(笑)」
エンタメは自給自足?家訓は“まいにちを楽しく”。
念願の“眺めの良い平屋”と、おまけとしては嬉しすぎる“広大なルーフバルコニー”を手に入れた、なかもと家。建物の構造上、この解放的な空間を活用できるのは最上階に住む者のみに許された特権であり、近隣に迷惑をかけなければ、その空間は自由に使える。
子どもの髪をセルフカットするときも、なかもと家の場合はルーフバルコニーがヘアサロンに。よーく見ると、鏡の右下にはまるで美容室に置かれる雑誌の如く児童書が置かれている。かなり芸が細かい。
ルーフバルコニーはときにヘアサロンに、ときに展望五右衛門風呂を満喫できる空間にも生まれ変わる。
“まいにちを楽しく”をモットーに、日常をエンタメとして楽しむ、なかもと家。笑顔の絶えない幸せな家族を妬み嫉み、ときにキャッツアイが現れるとか、現れないとか……。
こりゃ、Google Earthも黙っちゃいない。
見ているだけで、思わずくすっと笑ってしまう、なかもと家の日常。大家さんも『好きに使っていいよ』とは言ったものの、ここまで自由な毎日が送られていることはきっと想像もしていなかっただろう。なかでも、「なかもと家のすべて(夫と冷蔵庫を除く)」という一文が添えられた、この上記の投稿には、誰もが衝撃を受けるはずだ。
過去の類似投稿には「今日こそGoogle Earth」などといった大義名分が掲げられていたが、なかもと家の本当のミッションは「元々はバルサンをたくために、家の中の荷物を出すようになったんだよね?」と奥さん。
続けて旦那さんも「そうそう、我が家の恒例行事。でも、これをやり始めてから荷物をきちんと整理できるようになったのは良かったかな」と、広大なルーフバルコニーがあるからできる芸当である。
「なかもと家のすべて(夫と冷蔵庫を除く)」という投稿も、あくまでも大掃除の一環。“映え”を意識した投稿ではない。それを裏付けるように、なかもと家のアカウントが開始する前から、家財道具を広げた写真は一つの思い出として撮り続けられている。
娘二人、ただ今育ち盛り。
なかもと家のInstagram活動は、基本的に旦那さんが担当。「妻はカメラを向けると僕を笑かそうとして何か面白いことをやってくれるんですよ」と撮影を楽しんでいる。
親のDNAを受け継ぎ、娘さんものびのびと成長。奥さん曰く「長女はお調子者で、下の子は最初人見知りだったんですけど、姉の影響もあって最近は“おふざけ”を覚え始めました」とのこと。なかもと家の演者として、娘さんも只今育ち盛りである。
そんななかもと家に、今後やってみたいことを聞いてみた。
「最近、ボルボの古いクルマを買ったんですよ。二人とも免許を持ってないのに(笑)。なので今、妻が教習所に通ってます。いつかクルマのルーフに自転車を載せて、家族で旅をしたいですね」
なかもと家といえば、確か魚屋さんから引き取ったという小型の三輪トラック、ダイハツ・ミゼットを所有していたような……。
「ミゼットのこともあって、マニュアル免許を取らなくちゃいけなくて。クラッチ操作が難しすぎて、もう心が折れそうです(奥さん)」
6年前、都心のマンション暮らしだった彼らは、現在の屋上平屋ハウスを見つけガッツポーズをしながら引っ越して来たという。「ボロくて、夏は暑くて冬は寒いこの家が今でも最高に好き」と、とりわけ引っ越しの予定も無いそう。
これからも、なかもと家の日常が見逃せない。
- Photo/NAKAMOTO-KE
- Text/GGGC
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