猫も家族の一員だから。猫も人ものびのび憩うゼロキューブの家。
時に気ままに、時に寄り添い、猫は人を魅了する。今回、登場いただくSHINOさん夫妻も猫に魅了され、一家の住まいはキャットフレンドリー。開放感にあふれたZERO-CUBE(ゼロO)に“猫想い”なアレンジを加え、愛息が誕生した今、住まいはより家族の憩いの場所に。愛猫と共に暮らし、暮らしの変化を楽しむ一家のマイホームを覗きにお邪魔した。
- SHINOさん
- 夫と2022年11月に誕生した息子、愛猫である“いわし”と“しろみ”の3人+2匹暮らし。「猫との暮らし」を第一に建てたZERO-CUBEで、現在は育児に奮闘中。
- Instagram - @shinokoebi
開放的な吹き抜けは“いわし”と“しろみ”の遊び場。
SHINOさん夫妻がマイホームを建てたのは、今から3年ほど前のこと。住まいが完成した2年後に元気な男の子が誕生し、今はすくすくと成長する愛息と共に、にぎやかにして穏やかな日々を送っている。
しかし、暮らしを共にする家族は夫と息子だけにあらず。愛猫である“いわし”と“しろみ”も、欠かすことのできない家族の一員。
「もう7年も前のこと。結婚式を終えて、夫との生活が落ち着いてきたころにお迎えしたのが、ロシアンブルーのいわしです。いわしは人の気持ちに敏感で、体調が悪かったり、落ち込んだりしていると、必ずそばに寄り添ってくれます。そんないわしの遊び相手としてお迎えしたのが、ラグドールのしろみ。しろみはの今の家を建てた数ヵ月後に、わが家の一員になりました。活発で物怖じせず、いわしにいたずらを仕掛けては、よく叱られています(笑)」
最初に家族の一員となったいわしとは、7年もの付き合い。ふたりの結婚当初から生活を共にし、思い出を築いてきた。それだけに、SHINOさん夫妻は住まいを建てるにも愛猫ありき。開放感あふれる吹き抜けの壁に設けられた横長の天板はキャットウォーク。階段からキャットウォークへ、2匹の愛猫はタタタッと軽快に駆け抜けてみせる。
「前に住んでいた賃貸の家は1LDKの間取り。手狭だったので運動量が足らず、いわしもストレスが溜まっていたんだと思います。それを発散すべく、夜中になると、たまに大運動会が始まるんです。それが今は、部屋を駆け回るだけでも十分な運動量。キャットウォークは日当たりもいいので、2匹の日向ぼっこのスペースとしても活躍しています」
“CAT ONLY”のサインが物語る、家族たる猫への愛情。
SHINOさん一家の住まいが、いかにキャットフレンドリーなのか。そのことを最もうかがい知れるのが、ベッドルーム。寝室のドアとは別に“CAT ONLY”のサインが添えられた通り穴が設けられ、これは文字どおり、愛猫専用の出入り口。“魚NG・人間NG”のマークがあしらわれたユーモアからも、夫妻が猫に注ぐ愛情が伝わってくる。
「いわしもしろみも、私たちのかけがえのない家族です。だから、ベッドルームも2匹と一緒に寝ることが大前提。夫も猫も寝ることが大好きなんです。ブラウンの壁をベースに温かみのあるウッドの家具を取り入れたのも、家族みんながリラックスできる空間にしたかったから。寝具やラグも、ベージュの落ち着きある色味を選んでいます」
そして、掛け布団の素材は愛猫のお気に入りだという、なめらかな風合いのマイクロファイバー。寝心地の良さへの気づかいは、2匹の愛猫にもしっかりと伝わっているに違いない。いわしとしろみの寝床として猫用の小さなハンモックをレイアウトしてはいるものの、「ベッドでみんな一緒に寝ることのほうが、圧倒的に多くて(笑)」という。
「猫のことが大好きなのに、私には軽度の猫アレルギーがあるんです。なので、空気清浄機とお掃除ロボットは、猫と一緒に暮らすための必需品。それに部屋の所々に設置した見守りカメラも猫用です。私が通勤している間の見守り用に購入しましたが、現在はリモート勤務。今では休日の外出時にカメラの映像を見ては癒されています」
自分たちが建てた家だからこそ、思い思いに飾り付けて。
住まいのあしらいも、ちょっとした設備も愛猫ありき。しかし、SHINOさん一家のマイホームは、人の暮らしも豊かにする。吹き抜けの空間に設けられた大きなフィックス窓だけでなく、リビングの壁にも採光とアクセントを兼ねた横長窓をプラス。生成り色の壁が屋内に差し込む光を巡らせ、その柔らかな明るさが家族の空間にマッチする。
「吹き抜けの家にしたのは猫のため。1階と2階がオープンにつながっているので、猫も自由に往来できるだろうな、と考えました。それが今では、私自身も吹き抜けの開放感が気に入っています。育児や仕事に行き詰まっても、この開放感のおかげで気分転換ができます。時には息抜きもしつつ、日中は息子と一緒にテレビを観たり、お昼寝をしたり。息子が寝静まった後は夫と一緒に晩酌。ベッドルームに負けず劣らず、リビングも心落ち着く場所です」
そうしたリビングをさりげなく彩っているのが、猫モチーフの時計をはじめとする雑貨の数々。そして、ポスターや卓上カレンダーに仕立てられた家族写真も、インテリアのアクセントに。リビングのキャビネットにもテレビボードにもコンパクトサイズのカメラが置かれ、写真を撮ることが日常の暮らしに根付いていることが見て取れる。
「カメラは夫の趣味なんです。ただ、今の家に暮らし始めてからは、私も写真を撮る機会が増えました。特に強いこだわりがあるわけでもなく、コンデジで日常の何気ない様子をさくっと撮るくらいですが、これも家族の思い出になりますよね。それに自分たちが建てた家だからこそ、自分たちの思い思いに写真や雑貨を飾ることが楽しくて」
写真も趣味のフィギュアも、いつかは“家族の美術館”に。
写真や雑貨をアクセントに柔らかな印象のリビングとは一転、夫の仕事部屋には趣味のテイストがぎゅぎゅっと凝縮され、そのギークなムードがたまらない。仕事の相棒であるパソコンを取り囲むようにアニメのフィギュアやポスターに漫画、さらにはドラムやベースといった楽器も顔を出し、なかでも2次元の要素は夫妻共通の趣味だとか。
「晩酌をしながらアニメを観たり、ゲームをしたり。息子が寝た後は私たちの趣味の時間です。それに行く行くは、リビングも趣味であふれた空間にしたくて。家族の写真や雑貨だけでなく、お互いが好きなフィギュアもアートもめいっぱいに飾って、この家を自分たちの好きだけを詰め込んだ“家族の美術館”のようにするのが夢です」
マイホームで過ごす時間が経つにつれ、リビングに飾られる写真も雑貨も少しずつ増え、フィギュアやアートも住まいの彩りとしてプラスされていく。そして、1歳を迎えたばかりの愛息と愛猫の関係性を尋ねてみると…
「息子としろみは、お互いがいい遊び相手。一緒に遊んだり、お昼寝をしたりもしています。ただ、息子といわしはつかず離れずの関係。見ていると、いわしは子どもが得意ではないようです。でも、私たちは一緒に暮らす家族。息子がもう少し大きくなったら、いわしも静かに息子のそばに寄り添うようになるのかな、と思います」
すると、近い未来には愛息と愛猫が共にフレームに収められた写真も、家族のリビングに飾られるかもしれない。時の経過とともにSHINOさんの一家の住まいがどんな光景に変化していくのか、また覗きにお邪魔したくなる。
- Photo/Takahiro Kikuchi
- Text/Kyoko Oya
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