住みながら手を加えるという選択。仲良し夫婦のご機嫌な住まい。
#104 山口県F様
海の絶景が広がるのどかな田園地帯に、通称 “みどりの家” を建てたF様ファミリー。ベースはあえて作り込まず、ごくごくシンプルにした住まいを、自分達で手をかけながら楽しく暮らす夫妻。週末は旦那様がDIYした自慢のお庭で、友人家族と一緒にわいわいガヤガヤ! 今回は楽しい工夫を散りばめた、ご機嫌なF様邸にお邪魔します。
シンプルな箱を我が家流に変化させて楽しむ。
娘さんの妊娠を機に「アパートで4人で暮らすのは、限界かもね……」と、家探しをスタートしたF様ファミリー。情報収集はもっぱらインスタグラム、という奥様が「#家づくり」「#一軒家」で検索して見つけたのが、ZERO-CUBEだったそう。
「インテリアをメインに家づくりをしたかったので、建物自体はシンプルな箱でいいと思っていて。その分、家具や雑貨で “箱の中” を充実させたかったんです」と奥様。
加えて、奥様は「料理より、子育てより、掃除が大事! 整った空間だと心に余裕が生まれて、子供たちにも優しく出来るから(笑)」とお話しするほど、きれい好き。「凹凸が少ない」「段差がない」シンプルな構造の家は、掃除がしやすく、綺麗を保ちやすいと思ったのも惹かれたポイントだったとか。
内装のテーマは白と木目をベースカラーにした、ナチュラルな空間。中学生の頃から建築やインテリア雑誌を読み込み「もし自分が家を建てるなら……」と常々妄想していたという奥様が、あえて空間に強い個性を求めなかったのは「飽きっぽいから」と、自身の性格を踏まえてのこと。
「きっと好きなものは変わっていくだろうから、その時々の気分や好みのスタイルに変えられるように、ベースはシンプルにしておきたかったんです」。
「“タイル貼りのキッチン” や “グレートーンで統一したリビング” にも、憧れていたんですけどね 」と笑う奥様。内装デザインを作り込むのは、いつかのお楽しみに。まずは、長く住んでも飽きない居心地の良さにこだわったと言います。
そんな余計な装飾のないリビングには、好きで集めた雑貨やアートがアクセントを添えています。“遊びの部分” はもので表現するのが、奥様流の空間のつくりかた。「『ここにこれを飾ったらどうかな?』とあれこれ想像を巡らせたり、雑貨の並び方を変えるのは楽しいひとときです」と空間に彩りを加える作業に、夢中のようです。
夫婦二人のセンスで一緒に家づくり!
長年アパレルの仕事をしていた旦那様と、インテリア好きで色彩検定の資格を持つ奥様。空間づくりやディスプレイに強いこだわりを持つお二人ですが、旦那様いわく「僕は庭と外構、奥さんは家の中と担当を分けています」。主体的に手がけるエリアを決めているので、争いはまったく起きないのだとか(笑)。
とはいえ、自分の領域でもお互いに意見を求め、ないと思えば「ノー!」「もっとこうしたら?」とはっきり伝えるのも夫婦のルール。結果、色のトーンやテイストが自然と調和され、屋内外どこを切り取ってもお互いに大好きな空間になりました。
基本、空間づくりを行うエリアを分けている夫妻ですが、同じ熱量で取り組んだというのがキッチンカウンター。何度も検討を重ねセレクトした生木のやわらかで美しい木肌のカウンターは、美しい家具のように住まいを飾っています。奥様は「キッチンを正面から見た景色が、この家の中で一番好き!」とのことで、なかでも空間を朱に染め上げる夕暮れ時に見る眺めは格別なのだそう。
まさか、庭を丸ごと作るなんて。DIYが楽しい毎日。
一方、旦那様のお気に入りの空間は、自身が担当したお庭。 聞けば、玄関のポスト、ステップ(浮き階段)の枕木以外は、すべてセルフで手がけたのだそう。金づちもほとんど握ったことがなく、未経験からスタートしたというから驚きです。
最初から作りこまなかったのは「実際に住んでみないと『これがあると便利だよね!』っていうのは、見えてこないと思ったから」という一心で。状況に応じてあとから手をかけられるよう、“真っさら” な状態を選択したと言います。
ちなみにDIYの師匠は、近所に住む奥様のお父様。「近くで見ると、粗が目立つのであんまり見ないでください…」と笑う旦那様ですが、庭造り、外構、植栽とひと通り手がけたことで、今ではすっかり趣味として楽しみになっているそうです。
そんな旦那様の一番の力作は、玄関前のアプローチ。黄色がかった砂利の色と大きさ、手作りの花壇、少しランダムに並べた枕木と、随所にこだわりが詰まっています。
週末は、友人家族とバーベキュー三昧!
天気のいい土曜日の昼下がりには、友人家族が続々と集まり、お庭でわいわいバーベキューをするのが、F様一家のスタンダードなのだそう。
「ほぼ毎週末やるんで、バーベキューの道具は出しっぱなしです。ほぼ生きがいになっていますね」と旦那様。
お庭に集まってお肉や季節の野菜を焼いて食べたり、ダイニングテーブルを囲みたわいもない話をしたり。子供達が寄り集まって絵を書いて遊んでいると思えば、野球少年のお兄ちゃんは裏庭で素振りやキャッチボールをしていたり。めいめい思うままに過ごす平和な時間は、ご夫婦にとって日常の中の幸せなのだそう。
ちなみに、外観デザインの要でもある外壁の色ですが、奥様が「他のお家と区別をつけたい!」と思い立ち、着工直前にベージュからグリーンに変更したのだとか。住宅街に建つF様邸ですが、存在感を放っているので「詳しく場所を伝えなくても『あのみどりの家ね!』で通じるので、好都合です」と奥様。人をたくさん招く家として、ノースグリーンの外観も一役買っているようです。
ひとつ手を加えては、また次へ。ずっと未完成が楽しい。
「庭に、野球のトレーニング用の小屋を作りたい!」
「いやガレージでしょ。そうすれば雨の日もバーベキュー出来るし!」
現在、夜な夜なお庭の改造プランを練っているご夫婦。今のところ意見は平行線とのことですが、話し合う表情はなんとも楽しげです。そんなお楽しみも、変化に対応出来る余白を残した家だからこそ可能なのでしょう。今の暮らしだけでなく、様々な可能性を秘めた未来の暮らしにもフィットするF様ファミリーの住まい。家の中も庭も、お楽しみはまだまだ続くようです。
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